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現在の日本型雇用システムの形成があるのなら、新たな環境条件の変化に応じて、それがさらなる変動に迫られることも不思議ではない。
なるほど現在の環境条件の変化は、これまでにないものである。それは一言でいえば、グローバリズムというものであるが、しかし既存のシステムの終焉を迫るかのような変動もまた、今回が初めてというわけではない。

70年代の石油危機後の不況にあっては、それまでの10%前後の成長からマイナス成長へと日本経済は一気に落ち込み、その後も3〜4%の成長に低迷したというように、それはまさしく既存のシステムの終焉を迫るような環境条件の変化であった。同じく80年代の円高不況は、円レートの40%もの急騰というように、それ自体は既存のシステムの終焉を迫るような環境条件の変化であった。
しかし、繰り返すなら、このような変動を通じて「日本型」の雇用システムが形成されたのである。問題は、グローバリズムという現在の環境条件の変化に日本型雇用システムが対応できるのかどうかということにある。
もしできないとなると、それは崩壊する以外にない。先に述べたように、このことと現在の雇用情勢の悪化とを混同すべきではない。
いや現実には、この2つが重なることにより、日本型雇用システムはこれまでにない窮地に立たされている。それは二重の意味での窮地であり、現在の経済状況の悪化がこれまでにないものであれば、グローバリズムすなわち世界的規模での市場競争と技術競争もまた、これまでにないものである。
それは市場と技術の「大競争」であるだけではない。その金融のグローバリズムは、この4〜5年の間に経験したように、為替レートを急騰あるいは急落させ、将来をまったくの不確実性の中に投げ入れる。
あるいは情報技術の革新は、予想をはるかに超えるスピードで進行する。要するに、市場と技術のグローバリズム、あるいは金融と情報のグローバリズムは、それに対処するにもそのさまざまな目論見をはるかに超える不確実性となって現われる。
ゆえに、確かな見通しの欠如のまま、ただ制度変更をしゃにむに推し進めるだけとなるかもしれない。これが現在の日本型雇用システムの変動であるかもしれない。
もしそうだとすると、それはシステムの機能の低下に対処するという本来の目的を達成することなく終わるかもしれない。ゆえに、何にもまして重要なことは、自分たちがなそうとしている制度変更が何であるかを冷静に認識することだ。

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